2013/01/19

Vi-Kingを設立して2年が経ちました。

新年のご挨拶が遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、本日1月19日、株式会社Vi-Kingは設立2周年を迎えました。

Vi-Kingを設立して1年が経ちました。

1年前のちょうどこの日にこの記事を書いてから、1年。
この1年間続けてこられたのもやはり、Vi-Kingをご支援いただいている皆様のおかげだなあ、と思います。(ここで1人1人お名前を挙げることができず、残念ではありますが。)
Vi-Kingがこの1年でやってきたことを、自分なりに振り返ってみようと思います。

ひたすらアプリを作ってきた1年間。

まず、この1年を振り返り、Vi-Kingのことを一言で表現するなら、「やりたきことはできているが、組織として、法人としてあまりに未熟な存在」です。
Vi-Kingはこの1年間で、とても沢山のアプリをリリースし、そしてCAMPHOR-HOUSEというコワーキングスペースを立ち上げました。

アプリについて

昨年1月の「友達をぐちゃぐちゃにするカメラ」をリリースしてから、現在、Vi-Kingからリリースされたアプリは70個を超えます。

ただ、ひたすらにものづくりを行ない、それを続けること。
ペースで言えば、1週間に1こ以上のリリース。1年前に掲げた目標を達成することは、何とかできたのかなあ、と思っています。
ただ、どんなに前向きにとらえても、事業として成立していない。受託のお仕事を除けば、Vi-Kingのアプリ事業は決して事業として呼べない規模です。
1年間作り続けて、カジュアルゲームというマーケットやその限界もある程度見えてきました。
僕たちはゲームで成功しました。こうやってこうしたから成功しました。そう語れるだけのものを僕らはまだ持っていません。

CAMPHOR-HOUSEについて

昨年の9月に京都大学の近くに1軒家を借りて、「CAMPHOR-HOUSE」という無償のコワーキングスペースを立ち上げました。
学生時代にVi-Kingと同時に立ち上げたIT系モノづくり学生の団体「CAMPHOR-」を中心に、Web系エンジニア・デザイナー学生が月間100名ほど作業に訪れています。

立ち上げには多額のお金が必要でした。僕らがCAMPHOR-HOUSEからつくりたい世界。もしかしたら何も実現できないかもしれないリスクもあるにも関わらず、ご支援くださった協賛企業の皆様には本当に感謝しています。
そして、現場での実質的な運営を担ってくれているCAMPHOR-のメンバー、とくに現代表のはっしーには感謝してもしきれない。CAMPHOR-HOUSEは本当にたくさんの方に支えられ、運営できています。

本当にやりたいことをやっている人に、ほしいものを全てあげて世界を変えるプロダクト・サービスをつくること。そのための投資プラットフォームとなることを目指してCAMPHOR-HOUSEを運営していますが、現段階では少なくとも人が集まる、という土台が完成したくらいです。その上に、育成・事業化・成功の仕組みを積み上げること。CAMPHOR-HOUSEはまだまだ未完成です。

きっと世界を変える、ある友人の話のその後

僕が尊敬する、ある1人の友人についてお話しさせてください。

彼は、大学時代から自分のデザインするキャラクターが登場する漫画を描き続けています。去年の4月から社会人として働いています。
彼は鳥山明さんのようなキャラクターデザイナーになることを目指しているそうです。
自分のデザインするキャラクターを知ってもらうための1つの手段として漫画を通して、その世界観も含めたキャラクターを描き続けています。

学生時代は、2週間に1話のペースで漫画をたった1人で更新していました。
いま、彼はほぼ毎日、朝の5時に起床し、原稿を1日1枚描き続けています。仕事に行くまで、そして、仕事から帰ってきて就寝するまでの間を使って。それをほぼ毎日続けています。
加えて、この1年で彼は、独学でプログラミングを学び、自分のキャラクターが登場するiPhoneアプリを2つ、Windows8アプリを1つリリースしました。漫画の作画スキルも、Illustratorのスキルもこの1年間で、素人の僕からみても段違いに上がっていると思います。

彼がやっていること、やろうとしていることは僕からみるとすごく大変なことだし、地道に積み上げていかなければいけないからこそ、時としてすごく辛いことだと思います。
それでも、彼は会う度に、それはもう楽しそうに自分の漫画やアプリ、これからについて語ってくれるのです。
ああ、本当にやりたいことをやっている人というのはこういう人なのだろうな、と僕は彼と話すたびに実感します。

僕は、この1年間で色々な経験をしたと思います。自分の価値観や思考法も少しずつではありますが、変わってきていると思います。
それでも、世界を変える人というのは彼のような人間なのだ、という思いは全く変わりませんでした。

彼はきっと、世界を変えるキャラクターデザイナーになります。1年経っても変わらない、僕が彼に対して確信していることだし、彼を世界を変えるキャラクターデザイナーにするために、Vi-Kingは何をするべきなのか、ということについて、僕らはことあるごとにそのことについて議論をし、深めてきました。

僕は、彼のような、自分が本当にやりたいことをやっている人を世界を変える人にしたいです。
そのために、彼の前に立ちふさがる色々な問題を解決する「資金」「ノウハウ」「人脈」を、Vi-Kingは自由に使えるものとして蓄積していきたい。

今年は、もっとビジネスをやります。

昨年は、真摯にモノづくりを続けること、そしてVi-Kingが目指す世界をつくるための「場」をつくることまではできたと思っています。

1, ひたすら続けてきたアプリ開発をビジネスへと昇華させること。
2, CAMPHOR-HOUSEをベースに投資プラットフォームの基礎を構築すること。

アプリ事業は今期の下期に勝負をかけるべく、現在フィジビリティを繰り返しているところです。HOUSE事業については昨年に作り出した「集客」のうえに「育成」の仕組みを積み上げることを今期の目標としています。
(詳しくは別途、これから少しずつ書いていこうと思います。)

Vi-Kingでやりたいことと、Vi-Kingのメンバーについて

この1年間で大きく変わったことが一つあります。それは、僕がやりたいことはVi-Kingがやりたいことなのだと考えるようになったことです。

実はこれまでは、極端な言い方をすると、「僕がやりたいことをVi-Kingのみんなに手伝ってもらっている」とさえ思っていました。
4月から東京に引っ越し、Vi-Kingのメンバーと一緒に住み始めました。僕は基本的にわがままな人間で、自分のスタイルを人に合わせるということがとてつもなく苦手です。そのうえ、(語弊があるかもしれませんが)あまり人と仲良くなろうという気がありません。そんな感じでも、一緒に住めば色々分かるものです。いまは、一緒に住む前以上に、彼らのことを知っているし、何より彼らのことを信頼しています。

Vi-Kingでやりたいことを考え、深めるのは僕の仕事だ。僕がやるんだ。僕が決めるんだ。以前は肩に力が入りすぎていました。でも、自分がやりたいこと、Vi-Kingがやろうとしていることを、自分と同じようにみんながやりたいと思っているのだ、と自然に思えるようになったし、だからこそ自分ができないことを意地を張らずにみんなに任せることができるようになりました。

大学に入ってようやく理解したことですが、僕はどうやら頭が良くありません。というかアホです。あと、ITのスキルも知識もそんなにありません。極めつけに、行動力もそんなにありません。
COOの柿添は本当に頭が良いです。知性と体力の固まりみたいなやつですが、やることなすこと全般的に愛があります。
CTOの笠島は生み出すことにかけてまじで天才です。どんどん吸収して自分のものにしていく。でも、小動物ぽいです。
インターンのヒラッチは合理的です。うどんを除けば、好き嫌いと合理・非合理を混同しない。意外と誰もできないことです。
しやくんはピュアです。自分の手がけるモノと猫を自分の宝物のように可愛がることができるやつです。

一年前は、「最初の1年間で成し遂げたことは何一つなかった。まず、ここをやるべきなのだ。」というスタンスでとにかく自分が動かなければ!という思いでした。いまも、基本的にその思いは変わらないですが、みんなでやっているのだ、という推進力のような感覚を自然に得ることができていると思います。


私事ですが、昨年4月からリクルートという会社に入って、いまはタウンワークのスマートフォンサイトのWebディレクターをしています。平日の日中はVi-Kingのお仕事ができないので、スピードはどうしても落ちてしまいます。
ただ、Vi-King一筋では決して経験できなかったお仕事を、毎日浴びるように経験しています。この状態をいつまで続けるのかは僕にも分からないですが、しばらくは続けようと思います。

毎日やりたいことは沢山あって、ゆっくりする時間はあまりないのですが、毎日楽しいです。
今年も思い切り楽しもうと思います。よろしくお願いいたします。



2013年1月19日
株式会社Vi-King 代表取締役兼CEO
渡邊亮輔