2015/12/10

会社をつくるときにやっておいてよかったこと、やっておけばよかったこと

この記事は CAMPHOR- Advent Calendar 2015 の10日目の記事です。

こんにちは。@watamboです。
いまは日中、リクルートという会社で新規事業開発 兼 タウンワークのプロダクトマネージャーとしてお仕事をしながら、学生時代に創業したVi-Kingという会社を経営しています。
Vi-Kingでは主にアプリ開発の企画・UX/UIデザインを担当しています。

今日は「会社をつくるときにやっておいてよかったこと、やっておけばよかったこと」というお題で、自分が会社を設立したときにやってよかった点・反省点を書こうと思います。



最初に:きっかけ

やりたいことをやっている人が世界を変えられるようなものやサービスを生み出せる場所を京都につくりたいと思い、学生時代にCAMPHOR-というコミュニティを立ち上げました。
やりたいことをやっている人がすごいサービスを生み出し発信できるには、と考えたときに、ビジネスを立ち上げ成功させるために必要(と当時ぼくが考えていた)「人・ノウハウ・お金」に、コミュニティに属する人たちが自由にアクセスできる状態をつくることが必要だと考えました。
(余談にはなりますが、CAMPHOR-のロゴは3つの円が重ねった部分を切り出し、熱量や情熱を表す赤で塗りつぶした形で作っており、当初の思想が込められています。)

そうしたときに、

・企業や他の組織と協働し、サービス開発や取組みを進めていくときに、どうしても個人や非公式の団体を窓口とするよりも法人を作るほうが進めやすい。
・コミュニティの運営に必要なお金の管理なども同様、個人や非公式全体として行うよりも法人としての収支として管理するほうが漏れなく正確に進められる。
・CAMPHOR-のコミュニティメンバーが自由にアクセスできるノウハウ(ビジネス・技術etc)を蓄積させていくには何らか組織として事業を運営したほうがよい。

という理由と、更に、

・収益を上げる法人という意味で合同会社でもいいが、法人形態としての知名度や今後スケールさせることを意識すると株式会社がよさそう。

という理由から、株式会社としてVi-Kingをつくることにしました。



株式会社設立のときに最低限考えておくべきこと

株式会社を設立するために必要な流れは、下記の3ステップです。

<STEP1>公証人役場で定款をつくる
<STEP2>法務局で法人登記の手続をする
<STEP3>いろんなお役所に設立した旨の書類を提出する

これらの手続きの詳細は、税理士の方などプロの方が書いた情報がインターネット上にたくさん載っているのでここでは割愛します。
ただ、実際に会社をつくったときに「これはやっておいてよかったな」とか「やっておけばよかったな」ということがいくつかあるので、その話をします。

やっておいてよかったこと


(1) 知り合いの会社に、自社の定款を見せてもらう。

定款とは、会社をつくるにあたって基本的なことを定めたルールのことです。
・商号(なんていう名前の会社か)、所在地
・事業目的(なにをやる会社か)
・設立にあたり出資する資産(「株式」)はおいくらか、株式発行について
・経営陣、株主総会での意思決定方法について
・事業年度について(1期がいつ始まっていつ終わるか)
ざっとこれらを書くことになります。

定款はインターネットで検索すると雛形のようなものを入手することが可能です。
ただし、これらはあくまで汎用的な書き方になっており、定款は上記のような会社として基本的なことを定め、それを法人設立時にお役所に提出するため、内容を変更したいときは、登記変更申請という形で都度申請手続きに数万円のお金が発生します。したがって、自分たちの会社に適用するときは注意が必要です。

ぼくらの場合は、Vi-King設立時に他のベンチャー企業経営者の方に出資者 兼 取締役としてジョインいただいていたこともあり、彼の会社の定款を見せてもらい、なぜそのようなルールを記載したか?について細かく教えてもらいました。
とくに、事業目的には今後やる可能性がある事業も視野に入れて予め記載しておく、ということと、その内容を実際に見せてもらったことが役に立ちました。
例えば、Vi-Kingでいうと、

各種セミナー・勉強会の企画、実施
→CAMPHOR-設立当初に運営していた町家での就活Bar事業、現在のCAMPHOR-で開催している各種勉強会

不動産の管理及び利用
→CAMPHOR-HOUSEの運営

という形で、CAMPHOR-で実施している各種の取組みを、定款の変更なしに運用できていたりします。

(2) 公証人役場や法務局の人にわからないことをとにかく聞く。

知り合いの経営者に定款を見せてもらうことで定款の書き方は分かったのですが、必要事項の網羅性や、表現レベルでの書き方がわからなかったので、叩きをつくって、公証人役場に行き、とにかく質問をしました。
すると、この条文は◯◯という意味で書いているのか?✕✕という意味なら△△という表現にしたほうがよい、など色々教えてくださいました。公証人の方は多くの法人の定款認証に携わっているので、会社設立のプロです。分からないことはプロに聞いたほうがいい。公の組織のためお金もかからないので(笑)、時間が少しでもあるなら、自分で調べ聞き、定款をつくるほうがいいです。
ちなみに、初年度は会社設立だけでなく決算及び確定申告も自分でやったのですが、確定申告の際も税務署の机を占領して、半日かけて聞きたいことを聞いて申告書類を税務署内で作りきりました。(いま考えると迷惑だったかも。)
会社設立も会社に関連する手続きも最初は分からないことだらけですが、分からないからといって人任せにするのではなく、プロや経験者に教えてもらいながらも自分もある程度までは理解していて実際に手を動かしやったことがあるうえで人にお願いするほうが1番いいと思います。

(3) 発行可能な株式の総数・設立時発行株式の数を今後のことを考え、設定しておく

設立時に発行する株式の数と、まだ発行していない株式も含めた発行可能な株式の総数は定款上に定める必要がありますが、定款は一旦認証してもらうと中々変更しないものなので、少し皮算用な感も否めないですが、今後のことを考え設定しておいてよかったと思いました。
Vi-Kingのケースでいうと、
(A) 設立時点に各人が保有する株式の数はそれなりに多くしておく
(B) (設立時点で発行する株式の数) < (発行可能な株式の総数) としておく
という設定をしました。
(A)については、事業の成長程度に従い、創業メンバー以外で経営陣として迎えたいメンバーがいると、いま発行している株式をお渡しして会社の意思決定に関わってもらう必要が出てくると考えたためです。
(B)については、すでに株式を保有するメンバーの簿価上の保有資産を減らすことなく新規に経営陣を迎える必要性も出てくると考えたからです。
会社をやる以上、事業を成長させたいという思いは誰しもあるはずなので、上記(A)(B)は定款作成時に考慮しておくとよいと思います。


やっておけばよかったこと


(1) そもそも会社をつくる前にもう少し本格的に事業を始めておくべきだった。

冒頭でも書いたように、CAMPHOR-というコミュニティを「やりたいことをやっている人が世界を変える」場にするために会社を設立したので、設立時点Vi-Kingには、小さなネットメディア以外に事業らしい事業が存在しませんでした。
いま思えばそんなんでよく会社つくったなーと自分でも恥ずかしいのですが、会社を継続していくには(IT系だと少額ですが)会社運営のランニングコストも事業年度が終了すると法人税が発生します。これらのコストを考えれば、Vi-Kingの事業を本格的に稼働させるタイミングでの会社設立でもよかったと反省しています。

(2) 1番儲かるときよりも少し前の月を事業開始月にすればよかった。

ちゃんとした事業が存在しなかったことを考えると仕方がないことなのですが、1月に会社を設立したこともあり事業年度開始月を1月、終了月を12月と決め定款に記載しました。

現在Vi-Kingの主たる収益源はゲーム開発事業ですが、ゲームアプリの月あたり売上高が最大になるのはユーザーの余暇時間が最も長い連休、とくに年末年始です。
更に、ゲームアプリ事業は、課金や広告料金に依存しており、当月に発生する収益は即座に振り込まれないものが多く、企業の財務諸表上は、当月は売掛金、実際に自社口座へ振込まれたタイミングで売上として計上します。
法人税は、ざっくり言うと年度末時点の(総売上)ー(総コスト)がどの程度か、プラスかマイナスか、によって決まります。
こういったゲームアプリ事業の性質を考えると、事業開始月を、最も大きな額の売掛金が発生する月(その1〜2ヶ月後に現金が手に入る)の少し前に設定しておくと、確実性高く事業への投資を行うことができるので、このあたりを考慮し事業開始月を例えば11月などに設定しておくべきだったと思います。



最後に:雑文

Vi-Kingは決して大金を稼げていません(というか目標とする売上に全く到達できていない)し、すでに起業している方やそれだけで食べている方からすると、なんだそんなことか、という印象を受ける話かもしれません。また、Vi-Kingを設立した経緯もみても、サービスや事業ありきで起業する通常の会社設立とは性質が異なるので、ぼくがやっておいてよかった・やっておけばよかったと思うことは会社をつくる人すべてに対して当てはまることではないと思います。

また、Vi-Kingをつくるときに1番役に立った本が、磯崎哲也さんという公認会計士の方が書いた「起業のファイナンス」という本です。最新の会社法に準拠したうえで、起業にあたり基本的なことが書かれている本で、ぼくも会社をつくる前に読み、設立後も何度か読み返している本です。

ちなみに、株式会社freeeが出している会社設立freeeというサービスが今後会社をつくるときにはよさそうです。利用料は基本無料なのと、とくに、本来、非常に煩雑な手続きのために仕方なく4万円の手数料を支払っている企業が多い(Vi-Kingも然り)、電子定款の手続きが5,000円でできるということで、通常最低24万円程度かかる会社設立費用が3万5,000円マイナスになるようです。
freeeさんの回し者でもなんでもありませんが(笑)、次ぼくがもう1つ会社をつくるならこのサービスを使うだろうなあと思います。

CAMPHOR-メンバーにせよ、そうでないにせよ、もしこの記事を読んでくださった方で、会社をつくりたいけどどうしてよいか分からない、という人がいれば@watamboまでDM下さい。お役に立てるかわかりませんが相談に乗ります。


明日の担当は murata_atsumi です!

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